マーヴィン・ゲイ

成功の影に

異常なまでに繊細な神経の持ち主でもあったマーヴィンは時々 強い自失状態に陥ることがあり、そのせいか当時からマリファナや ヘロイン、コカインなどの麻薬に手を出していました。逆を言えば 彼のそんな危ういムードに、母性本能をくすぐられる女性ファンたちに カリスマ的な人気を支えられていた、とも言えそうです。


マーヴィン・ゲイ

マーヴィンはその頃モータウンのゴーディとの出会いと同時にゴーディ の姉である美しい女性、アンナと恋に落ちていました。 アンナはマーヴィンの才能を常に褒め讃え、自信を与え続けたといいます。 そのおかげか1962年にはシングル『Stubborn Kind Of Fellow』がチャート 入りを果たしたのをきっかけに、次々とヒットを飛ばします。 こうして歌うことによって彼の精神の安定はたもたれていましたが、彼と デュエットを組み、「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」などの ヒットで有名な女性ヴォーカリスト、タミー・テリルの死が、彼にまた 暗闇をもたらしてしまいます。この精神的なショックにより過度のステージ 恐怖症になるなど、彼は完全に精神のバランスを失ってしまい、ますます コカインなどの楽物に依存していくようになってしまったのです。


そして名作 What's Goin' On"の誕生

マーヴィン・ゲイ

しかし、そのどん底の状態から這い上がるかのように彼はモータウンの 素晴らしき仲間達と不朽の名作「What's Goin' On」を発表します。 愛する人を失った経験から得たインスピレーションはソウル音楽において 初のコンセプトアルバムとも言える、画期的な作品を生み出したのです。 その後1984年、マーヴィンの45才の誕生日前日、確執を引きずり続けた 父親との口論の末に、父親に射殺されるという悲劇で人生の幕を閉じるまで 彼は傑作を生み続けました。