マーヴィン・ゲイ

"What's Going On" Marvin Gaye (1971)

What's Going On

カーティス・メイフィールド、ダニー・ハサウェイらの『ニューソウル運動』 に刺激され、マーヴィン自身がセルフ・プロデュースしたことや、1971年当時 ベトナム戦争や公民権問題などにとどまらず、環境問題という当時全くもって 取り上げられていなかった分野まで視野を広げた画期的な作品で、大きな注目 を集めました。あまりにも政治的で、今までのイメージを変えてしまう恐れから 発表当初、「今まで聞いたなかで最低のレコードだ。」とモータウンの社長 であるベリー・ゴーディに酷評されるなど、モータウンはこのレコードに 対して消極的だったといいます。ところがアルバムはモータウン至上最高の ヒット作となり、5週連続もの間、R&Bチャートのトップに君臨しました。

それぞれの曲がまるで川の流れのごとく、シームレスにつながっていることで アルバム全体を通して、まるでひとつの曲かのような感覚をもたらすため 統一感があり、歌詞の内容とは違って、うっとりするような高揚感もあります。

どんな過酷な運命をこの世界の見えない場所でだれが強いられているのか? そして悲しみの果てには何が残るのだろうか? このアルバムにはこんな悲痛なメッセージが凝縮されています。

間違いなくマーヴィン・ゲイの代表作であり、ポピュラーミュージックに おける宝のような作品と言えるでしょう。